病虫害に弱い木


■早期発見・手当てが決め手




数多くの病気や害虫から樹木を守り育てるには、その木が好む条件を知り、良い環境づくりが必要となります。何よりもまず、その木の生育に適した土地に植えること。
例えば、日かげを好む木を日当たりのよい場所に植えますと、日焼けや乾燥による生育不足から
病害虫の発生を招く結果となります。また、いつも肥料を適量施すことも大切で、肥料の与えすぎは組織を軟弱にし、病気や害虫の被害を大きくします。特に日本の夏は高温多湿、病害虫の繁殖には絶好期で、なかでも外来種は被害を受けやすいため、剪定をしたり株間をあけて風通しをよくするなど、工夫して手入れをしたいものです。
 毎年、病害虫の発生する時期が決まっている樹種には、その発生前に薬剤を散布します。それぞれの病害虫によって症状も薬剤も異なりますから、適切な選択と使い方が大切です。また、人体に危害を加えるケムシ類もあってツバキ科に多いチャドクガやマイマイガ、バラ科やブナ科につくモンシロドクガ、カエデやサクラ、カキに寄生するイラガ類には注意しましょう。



くちなし
成木の移植が難しい木


■最適期での移植を心がける




中・高で移植が難しいといわれるものでも、小苗の状態では活着が容易で、特にポット苗は春から秋にかけていつでも移植することができます。
移植の困難な成木を植える場合には、つぎの点に注意してください。
1、少なくとも移植する1年前の春から初夏の間に根回しをして行うこと。植木屋で買う木は根回しがしてあります。
2、枝葉を2/3から1/3ほど剪定し、地上部と地下部のバランスをとること。
3、幹巻き、蒸散抑制剤の散布、植鉢上のマルチング、防寒のための寒冷紗による覆い、発根促進剤の利用など、活着しやすいような処置を施すこと。
移植の最適期 −東京を基準− (  )内は準適期
常緑針葉樹 3月中旬〜4月上旬の芽だし前(9月下旬〜10月下旬)
常緑広葉樹 4月上旬〜4月下旬の芽出し前 *寒害に注意(6月中旬〜7月下旬・
梅雨期、新葉のかたまった時)、(9月中旬、寒害 に注意)
落葉広葉樹 3月中旬〜4月上旬の芽出し前 10月中旬〜12月中旬の落葉後


こぶし

狭い住宅庭園に不向きな木


■樹木の形状・性質を考えて植える




狭い庭にも多くの木を植えて楽しむことは可能ですが、狭いための障害も起こりやすく、次のような性質や形状のものは避けるように注意します。
@生長が非常に早く大高木になる樹種。また、根の張りが大きすぎる樹種。
A冬でも大きな日かげをつくる樹種。(ただし剪定・整姿の容易なものは除く)
B葉が細かくて雨どいなどに落葉がたまりやすい樹種。
C触れるとかぶれたり、鋭いトゲがあるなど、人体に有害な樹種。
Dケムシなどの発生しやすい樹種。また、病気にかかりやすい樹種。
E根が暴れやすく家や土地を持ち上げる樹種。
また、最近ドワーフといって、本来高くなる性質をおさえた矮性種が数多く作出されています。これらを利用するのもよいでしょう。



ヤマモモ

人体を害する木


■有害な部分をまず知ること




 樹木のなかには、人間にとって必ずしも好ましくない性質や形状をもったものがあります。枝や葉にトゲや鋸歯があって人体に外傷を与えるもの。樹液によるかぶれや、花粉・毛によって鼻炎などのアレルギーを起こすもの。また、実や葉などの植物体に毒を含んでいて食べると有害なものなど・・・・・。
 このような樹種の、どの部分にその原因があるかを理解しておくことが大切ですし、またそれは治療にあたっても必要なことです。ただ単に有害な木だからといって切り捨てるのではなく、その有害な部分を理解したうえで、その樹木が本来もっている美しさや良さを鑑賞したいものです。
例として、キヨウチクトウは枝に猛毒を持っています。口に触れることは絶対に避けなければなりません。


キョウチクトウ


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